新NISAの徹底活用を目指して、初心者にも分かりやすいお悩み解決記事を書きました。(ファイナンシャルプランナー2級、AFP)
新NISA口座を作ったものの、証券会社を変更したいと思うケースも考えられます。
当記事では、新NISA口座を別の金融機関に変更するに当たっての……
気をつけたいポイントやメリット・デメリット、変更手順についてまとめました。
失敗のない口座変更のお役に立てば幸いです。
NISA口座の変更を検討する上で気をつけたいポイント
NISA口座は一人につき1口座しか開設出来ない
NISA口座は、1人1口座のみ開設可能です。
複数申し込んでも開設は1つしか認められず、開設前の最終段階では税務署の審査も有るので、重複して開設される事はありません。
NISA口座の変更は1年に1回だけ可能
NISA口座の変更は、1年に1回だけ可能です。
但し、変更する為には、制限事項があり、条件を満たしていないと変更する事ができません。
また、変更前の口座の金融商品は新しい口座に移動できませんが、非課税期間の間保有しておいても大丈夫です。
NISA口座の変更にはタイミングがある
新NISA口座を変更するには期間が決められており、変更したい年の前年10月1日~変更したい年の9月30日に口座変更手続きを行う必要があります。
さらに、変更したい年に、これまでのNISA口座で一度でもNISAの取引があると、その年の口座変更はできません。
よって、口座を変更する場合は、NISAの取引を控えてタイミングを決めて変更するなどの計画的な対応が必要となります。
新NISA口座変更のメリットとデメリット
新NISA口座を変更する場合は、変更によるメリットと、デメリットを確認して行う必要があります。
NISA口座変更の3つのメリット
- 取引できる商品選択の幅が広がる
- 取引手数料を下げることができる場合がある
- 取引ツールの使い勝手が良くなる
1.取引できる商品選択の幅が広がる
NISAの取扱商品は、金融機関によって取扱数が異なります。
取り扱い商品が豊富な金融機関に口座を移すことで、投資先の幅を広げることができます。
ただし、商品の種類だけでなく、自分が魅力を感じる投資先が取り扱われているかどうかもが重要です。
以前にNISA口座を開設している場合は、新たな商品も誕生してきているので、自身の口座に気になる新たな商品が無い場合で、次の口座には有る場合は、変更のメリットがあるケースと云えます。
2.取引手数料を下げることができる場合がある
金融機関を変更する事で取引手数料が安くなる場合も、金融機関を変更するメリットの1つです。NISAは長期の資産形成のため、手数料も時間分膨らんできます。
非課税の複利運用を活かす為にも、安い手数料はメリットがあるので、変更を検討するべきケースとなります。
3.取引ツールの使い勝手が良くなる
ネット証券では、それぞれの会社の取引ツール(アプリ)を使って商品の売買を行います。
実は、この取引ツールの使い勝手が、証券会社によって意外と異なります。
ご自身の感覚に合ったツールの証券会社の方が、長く付き合う上でも大切です。
また、つみたて投資枠の利用では、クレジットカード積立でのポイントが貯まるサービスも有ります。所有するクレジットカードで積立ができる場合は、乗り換えを検討してみる価値があります。
取引ツールや付与ポイントなどの付加的要素も、見直しの価値のある大きなメリットなので、気付いた時は一度確認してみる事をおススメします。
NISA口座変更での3つのデメリット
口座変更によるメリットがあっても、同時にデメリットも3つ程有ります。
- 保有商品を移管できない
- 変更前の口座を保持するとNISA口座管理が2重になる
- 変更期間中に取引のチャンスを逃す可能性がある
1.保有商品を移管できない
NISA口座を変更しても、変更前の口座で購入していた商品を、新たなNISA口座に移すことはできません。
2.変更前の口座を保持するとNISA口座管理が2重になる
口座を変更した場合は、口座がダブルとなって管理が複数になり煩雑になる可能性があります。
管理が難しい場合は、前NISAの商品を売却して、新しいNISA口座で再度購入するなどの対応を考える必要が生じます。
3.変更期間中に取引のチャンスを逃す可能性がある
NISAの口座変更手続きには、約3週間~1ケ月程の時間が必要です。
この間は、旧口座は閉鎖中、新口座は開設前なので、NISA投資ができない期間になってしまいます。
売買のチャンスはいつ訪れるかは分かりませんが、変更手続きでの取引停止期間は少しでも短い方が良いので、手順を押さえて効率よく進めることが大切ですね。
新NISA口座の金融機関変更手順
NISA口座を変更する場合は、短期間で効率よく変更する事が大切です。
以下に5ステップでの変更手続きを説明します。
- これまでの金融機関に、変更したい旨連絡を入れる
- 変更先の金融機関でNISA口座開設の申し込みを行う
- これまでの金融機関から「勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」を受け取る
- 変更先の金融機関に、非課税口座開設届出書を提出する
- 変更先の金融機関審査・税務署審査の後、開設完了
1.これまでの金融機関に、変更したい旨連絡を入れる
変更申請の第一段階として、利用中のNISA口座の金融機関で、「金融商品取引業者等変更届出書」を提出しなければなりません。
但し、この書類が、オンラインのみでは完結できず、オンラインで「NISA口座金融機関変更を希望」と請求すると、自宅住所に郵送されてきます。
そして、届いた書類に必要事項を記入して、郵送で返送します。
往復の郵送時間がかかってしまうので、この時点で1週間近くの時間が必要です。
2.変更先の金融機関でNISA口座開設の申し込みを行う
1の手続きの間に、2の新しい金融機関の口座開設手続きを進めます。
開設手続きもオンラインだけでは完結出来ず、オンラインで申し込んでから、自宅へ必要書類が郵送されます。
3.変更前の金融機関から「勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」を受け取る
1で返送した書類が、これまでの金融機関に届いた後、「勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」が自宅へ送られてきます。
ここまでに筆者の場合は、2週間程要しました。
4.変更先の金融機関に、非課税口座開設届出書を提出する
2の変更先の金融機関の必要書類と、3の「勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」、本人確認書類(金融機関指定)を、変更する金融機関に郵送します。
5.変更先の金融機関審査・税務署審査の後、開設完了
書類が、開設先の金融機関に届くと、速やかに審査されて口座は開設待ちになります。
この後、税務署で重複開設でないか?などの審査が行われ、追って金融機関から開設完了の連絡があります。
筆者の場合は、税務署の審査が1週間~2週間程かかり、変更に約1ケ月を要しました。
NISA口座の金融機関変更に関するよくある質問
NISA証券会社を変更してから口座変更するまでにどれくらいの日数がかかりますか?
変更には約1ケ月程かかります。
変更手続きは、郵送で自宅に書類が届き返送するなどの手順を踏み、最終段階では税務署の審査も有ります。そのため日数がかかり、1か月程度を見込むと安心です。
NISAの証券会社変更はいつできますか?
NISAはその年で一度でも取引があると他の金融機関への変更ができず、翌年からの変更となってしまいます。
2024年に取引が無い場合は、2024年9月30日までに変更手続きを行う事で、2024年の変更手続きが行えます。
2025年に変更を行いたい場合は、2024年10月1日から2025年9月30日までの変更手続きになります。
新NISA口座は2つ開設できますか?
新NISA口座は1人1口座のみ開設可能なので、2つ開設はできません。
例え金融機関が異なっていても、税務署での新NISA口座開設審査で重複開設チェックが行われたのち、開設認可されます。
まとめ
当記事では、新NISA口座の金融機関変更についてまとめてきました。
新NISA口座は、非課税の資産運用制度である為、1人1口座のみと規定されています。
その為、金融機関を変更する手続きにおいても、重複申請が行われない様に、これまでのNISAの廃止手続きをもって、新規口座の開設申請が行えるようになっています。
また、本人の居住所確認の為か、書類は郵送での手続きです。
その為、書類の行き来に時間がかかって、約1ケ月程時間を見ておくのが良いと思います。
この変更期間と、現状のNISA口座の状況を考えて、乗り換えるべきか否かを判断すると、良いと思います。
当記事が、新NISA口座変更検討のお役に立てば幸いです。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。