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新NISAはS&P500の積立投資だけでいいのか?危険なのか?

管理人Mat

新NISAの徹底活用を目指して、初心者にも分かりやすいお悩み解決記事を書きました。(ファイナンシャルプランナー2級、AFP)

当記事では、新NISAで人気の米国株式の投資信託「S&P500について、

  • 積立投資1本で大丈夫なのか?
  • 危険だといわれる理由とは何か?

を、わかりやすくまとめました。

『新NISA』銘柄選びのお役に立てば幸いです。

目次

そもそもS&P500とは?

まずは、そもそもS&P500とは何なのか?から確認してみましょう。

米国のS&P500指数と連動するファンド

「S&P500」とは、米国のS&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社が公表する、ニューヨーク証券取引所やNASDAQに上場する代表的な500銘柄の時価総額を元に算出される指数で、米国株式の時価総額約80%をカバーしています。

S&P500は、この「S&P500」の株価指数との連動を目指して運用される投資信託(ファンド)を指しており、人気のあるS&P500ファンドとして……

  • 三菱UFJ-eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
  • SBI-SBI・V・S&P500インデックス・ファンド

などがあります。

したがって「S&P500」ファンドは、米国の株式に分散投資されることと同じになる投資信託といえます。

S&P500の推移

S&P500指数は1980年以降、右片上がりで伸びています。

途中4回の急落局面がありますが、落ち込み以降長くても4年程で回復している事が分かります。

一方、日経平均はコロナショック以降上向き傾向にありますがほぼ横ばいで、S&P500とは大きな違いが有ります。

この傾向差より、S&P500が注目される要因となっています。

引用:マネックス証券

S&P500の構成銘柄は入れ替わる

S&P500の構成銘柄は定期的に見直されて成長企業が常に含まれるようになっており、上位10社を見ても変動がわかります。

S&P500は指数連動のインデックスファンドですが、構成銘柄は常に最適化されているため、指数そのものがアクティブな、時代の変化に強いインデックスファンドといえます

2023年2月 会社名2024年2月 会社名
アップル






マイクロソフト
マイクロソフトアップル
アマゾン・ドット・コムエヌビディア
アルファベットCアマゾン・ドット・コム
アルファベットAメタ・プラットフォームズ
テスラアルファベットA
エヌビディアバークシャー・ハサウェイ
エクソンモービルアルファベットC
ユナイテッドヘルス・グループテスラ
10ジョンソン・エンド・ジョンソンユナイテッドヘルス・グループ

S&P500と全世界株式の関係

引用:マネックス証券

S&P500と全世界株式の指数(MSCI ACWI)の推移を比べてみると、どちらも右片上がりのほぼ同じ動きをしていることが分かります。

顕著に言えることは、S&P500の方がパフォーマンスが大きい事です。

全世界株式の指数(MSCI ACWI)の約6割は米国株式が含まれているため近似の動きとなり、米国株の伸び率が他の国よりも高い為、パフォーマンスに差が生じてきます。

S&P500は米国1か国のみの投資でリスクが大きいといわれますが、この20年程の4回の急落を見る限りは、全世界株式の指数(MSCI ACWI)とリスクイメージは近いといえそうです。

「S&P500の積立てだけで良い」という理由

新NISAの積立投資は、「S&P500の積立てだけで良い」という意見があります。まずは、この背景から確認してみましょう。

S&P500はリーマンショックの半減後も4年で回復

S&P500は大きなショックからも比較的早く回復しているといえます。

2007年10月のリーマンショックでは2009年3月までS&P500は下げ続けて半減しましたが、2013年3月末には完全に回復し、その後も上昇を続けています。

新NISAの様に長期で資産形成を考える場合に、リーマンショックの様な計5年半を、一時的な下落として捉えられるならば、落ち込みは安く購入できるチャンスとみなすことができます。

したがって、新NISAの長期運用で半減があったとしても耐えられる資産状態とメンタルの場合は、S&P500だけでも十分といえるでしょう。

米国は40年間世界経済を牽引

S&P500は1957年から現在の形で運用されており、1980年以降の40年間は伸びが特に顕著になっています。

インターネットやシリコンバレーの成長など、米国発の技術革新が世界経済に大きな影響を与え、AIや半導体が次の成長源として期待され、米国経済の強さと継続的な成長が、S&P500の安定したパフォーマンスの基盤となっています。

この先、新NISAの運用期間中の米国の成長を信じれる事も、S&P500だけで大丈夫だといえる条件になります。

引用:SMBC日興証券

「S&P500の積立てだけでは危険」という理由

逆に「S&P500の積立てだけでは危険」だという意見もあります。

その理由はリスクの捉え方の違いといえます。

投資資産が半減しても耐えられるか?

S&P500は、長期での右片上がりの成長はグラフの通りですが……

リーマンショックのような大きな経済危機では、S&P500も大幅に下落し、一時的に資産が半減するリスクがあります。

リーマンショックの様に、1年6ケ月程S&P500が下げ続けて資産が半分になっても、資金面とメンタル面で耐え続けることができるでしょうか

また、半減をチャンスと捉えて積立し続けることができるでしょうか?

最悪なのは、半減したタイミングで、S&P500ファンドを手放してしまうことです。

投資資産が半分になって耐えられない状況では、S&P500だけでの投資はリスクが大きいといえます。

長期運用は分散投資でリスク低減

長期の投資リスクを減らす方法の1つに「分散投資」があります。

分散方法には、「時間を分散する」「地域を分ける」「資産種別を分ける」などの方法があり、時間をかけて積立を行う積立投資は「時間を分散する」方法にあたります。

S&P500は米国内では株式を分散できていますが、国や資産種別としては米国1国の株式のみで分散できてはいません。

かといって、先にもふれた通り全世界株式の指数(MSCI ACWI)とは似た動きで、「オルカン」の様な MSCI ACWI 指数の連動商品では分散とはいえません。

「資産種別を分ける」方法を取り入れて、債券や商品などのコモディティに分散投資することで、全体的なポートフォリオのリスクはさらに低減できます。

したがって、分散という観点で見るとS&P500の積立だけでは危険だと見る意見があります

S&P500と一緒に投資するならばどれ?

S&P500での資産分散は、何に投資すればできるのでしょうか?

金はリーマンショックでは上がった?

金は、米ドルと逆相関の関係といわれ、下図の2000年代初頭のITバブル崩壊では、S&P500は下げているものの、金先物は下げていません。

但し、2008年のリーマンショックでは、S&P500が下落する時に、金価格も同時に下げています。

しかしよく見ると……S&P500の下落が2009年3月まで続く中でも、金はその途中で回復を始めていることがグラフから見て取れます。

引用:SBI証券

一方、2013年4月の金の暴落時には、S&P500は右片上がりの状態です。

逆に、2020年3月のコロナシックでS&P500は大きく下げていますが、金先物は下げの様子はみられません。

この様に、金は株式とは異なる動きをするため、金や金の投資信託などは株式投資のリスクヘッジとして有効とみなせます。

新興国はどうか?

S&P500や全世界株式の指数(MSCI ACWI)は、米国や先進国を対象とした指数です。

地域分散という視点で見れば、先進国に対する新興国があります。

新興国は経済成長が著しく、三井住友DSアセットマネジメントまとめの、名目GDP成功率の2000年~2022年累積値は、米国は約151%で、新興国の成長率は約569%、アジア新興国の成長率は793%となっています。

引用:三井住友DSアセットマネジメント

新興国はGDPの成長に伴い高いリターンが期待できる一方、政治的リスクや市場の不安定性が伴います。

インドなどの新興国市場は高い成長を遂げていますが、同時に政治的な不安定さや市場の急激な変動も見られます。

中国株も2020年以降は失速してしまいました。

新興国の株式ファンドはリスクとリターンのバランスを考えた上で、ポートフォリオの一部として検討する価値がありますが、アクティブファンドであるため、運用コストには注意が必要です。

まとめ

S&P500の積立投資は、長期的な成長が期待できる一方で、経済危機でのリスクも考慮する必要があります。

米国経済の強さとS&P500の歴史的な成長を考慮すると、S&P500は優れた投資先です。

S&P500だけで行く場合は、短期的な半減やメンタルリスクには覚悟して、長期投資の成功を信じて積立を行うことが大切です。

一方、短期的な半減やメンタルリスクに耐えられそうにない場合は、分散投資を検討しておくべきといえます。

いずれにせよ、自身の投資リスクを認識した上で、許容できる範囲での投資を心がけることが大切です。

NISA口座の開設は無料でできるので、まずは小さな資金から始めて、ファンドが上がった時のワクワク感や、下げた時の焦燥感を感じてみるのもおすすめです。

自身のメンタルを知っておくことは、将来的に資産形成を目指すときの自身を冷静に見るための材料になります。

口座開設はSBI証券が最も口座開設数も多く銀行連携も含めておすすめで、楽天経済圏の方は楽天証で、ドコモdポイント経済圏の方はマネックス証券がおすすめです。

以下記事も参考に検討してみては如何でしょうか……

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